日本神話関係。 主に日本書紀・古事記・風土記をもとに、日本神話について「事実関係(書いてあること)の整理整頓」する、備忘録的なブログ。 他には「素朴な問いを立てる」ことを重視していきたい。 「謎の解明」はきっと専門家がどっかでやるので、そんなに興味なし。 あとは、たまには「雑感・想像・妄想」織り交ぜて色々とイメージを膨らませたいとも思っている。 ちなみに、最近はアイヌ神話・琉球の神話にも興味がある。 著作権については興味なし。 ここで書いたりアップしたものは、勝手に使用・転載していいです。(使う機会あればの話ですが・・・)
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・島の生み方って何通りあるんだろう?
①天之瓊矛の先端から滴った潮が凝って磤馭慮嶋に成る(第4段)
②みとのまぐはひで州国を産む(第4段)
③潮の沫が凝って成る(第4段)
④水の沫が凝って成る(第4段)
⑤月神「我が祖の高皇産霊は天地鎔造の功がある。(鎔・・・ヨウ、いがた、と(かす)、と(ける))」(顕宗天皇3年2月1日)
・神の生み方って何通りあるんだろう?
・人の起源ってどこかに書いてあるのだろうか?
・食料の起源ってどう書いてあるだろうか?
・世界観は、どうなっていると考えられていたのだろうか?
・死後の世界について、どのように考えていたのだろうか?
・登場する神々を、①自然神または異界神、②降臨1世、③降臨2世・・・などと分類すると、何か見えてこないだろうか?
・歴史時代の大王・豪族がどんな神を祀っているかの変遷を追うことで、何かみえてこないだろうか?
・話の展開が少し違和感のある箇所って、どこだろうか?
①日神(第5段)の呼び名を、いつの間にか天照大神(第6段以降)に統一している所
②戦闘準備バッチリで素戔鳴尊にイチャモンつけまくっていた天照大神(第6段)が、実際に素戔鳴尊が嫌がらせし出したら急に大人しく引き篭もっちゃっている所(第7段)
③素戔鳴尊の性格が変わりまくっている所。豪快かつ残忍(第5段)→豪快だが誓約(ウケイ)できよき心を証明(第6段)→潔白証明した途端に嫌がらせをやり出して追放された(第7段)→ヒーロー(第8段)
④本文では初登場の高皇産霊尊がなぜかメチャクチャ偉そうにしている第9段
⑤部下二神を派遣して大己貴神に国譲りさせたのに、なぜか無関係の日向にニニギを降臨させた第9段
⑥祖父母や曽祖父母の代があんなムチャクチャをやっているのに、妻を一夜で妊娠させた程度で大騒ぎしているニニギ(第9段)
神代上
(第1段)
原初の混沌とした状況から、やがて葦芽のようなものが生じ、最初の三男神が生じた。
(第2段)
そこからどうやって誕生したかは不明だが、今度はカップルの神々が生じた。
①泥土煮尊(ウヒヂネ)・沙土煮尊(スヒヂネ)→②大戸之道尊(オホトノヂ)・大苫辺尊(オホトマベ)→③面足尊(オモダル)・惶根尊(カシコネ)→④伊弉諾尊(イザナキ)・伊弉冊尊(イザナミ)
(第3段)
以上、神代七代である。
(第4段)
①伊弉諾尊と伊弉冊尊が天浮橋の上から、天之瓊矛(アマノヌホコ)で海を刺してかきまぜると、
その矛の鋒から滴った海水が固まって、磤馭慮島ができた。国土の誕生である。
②磤馭慮島でみとのまぐわいをして、色々な国を生んだ。国土の誕生その2である。
(第5段)
①国土産んだ後で、海川山などの自然を産んだよ。
②国土と自然を産んだので、天下の主たる者も産もうということで、やってみた。
・日神→光輝いているんで、天上のことを任せた
・月神→日に次ぐレベルで光輝いているんで、日にならべて配置したよ
・蛭児→三歳になってもまだ脚が立たなかったので、天磐豫樟船(アマノイハクスブネ)に載せて、流した((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
・素戔鳴尊→色々と親の手に負えなかったので、根国に放逐した。
(第6段)
素戔鳴尊「根国には行くけど、その前に天上の姉ちゃんに会ってからにしよう」
天照大神「(戦闘準備バッチリ整えた上で詰問)何で来たんだよ。お前この国を奪うつもりだろう。」
素戔鳴尊「そんなつもりないよ。そんなに疑うなら誓約(ウケイ)で潔白を証明してやるよ。男を産んだら潔白ね」
↓
本文にはどちらが勝ちかハッキリ書いていないけど、この後の展開からすると素戔鳴尊の勝ちだったのでしょう。
男産んだし。
(第7段)
①素戔鳴尊が調子に乗って大暴れ。
②天照大神が怒っていじけちゃって、天石窟に引き篭もったため周囲が常闇になった。(ちょっと前にあれだけ戦闘準備万端整えていたのは何だったのか???)
神々が頑張って引っ張り出した。
神々はついでに素戔鳴尊を追放した。
(第8段)
①素戔鳴尊は天から出雲国の簸の川上に降ったところ、奇稲田姫(クシイナダヒメ)一家に出会った。
②八岐大蛇を酒飲ませて酔っ払わせて退治した。体内から出てきた草薙剣は(ちょっと前に大暴れして無茶苦茶にした)天に献上。
③出雲の清地(スガ)で結婚生活して、二人の子として大己貴神(オオアナムチの神)が誕生。
その後に素戔鳴尊はやっと根国へ行く。
神代下
(第9段)
①高皇産霊尊(誰???)が自身の孫の天津彦彦火瓊瓊杵尊(アマツヒコヒコホノニニギの尊)を葦原中国の主にしようと欲した。
そこで神々推薦の天穂日命、大背飯三熊之大人、天稚彦を支配者大己貴神のもとへ逐次投入したが、全部失敗。
②高皇産霊尊は今度は神々推薦の経津主神と、いきなり気合満点でしゃしゃり出てきた武甕槌神を派遣。
二神は出雲国の五十田狭の小汀に降り立って、今度はちゃんと大己貴神に国譲りをさせた。
③高皇産霊尊は真床追衾(マコトオフフスマ)でもって皇孫天津彦彦火瓊瓊杵尊を覆って、地上に降臨させた。
ちなみに降臨した場所は日向で、フラフラ彷徨って辿り着いた場所は吾田の長屋の笠狭碕(現鹿児島県。わざわざ出雲まで色々な神を派遣して国譲りさせたのは何だったのか???)
④現地で鹿葦津姫という美人と結婚→一夜で姫が妊娠→出産。
(第10段)
①ニニギの子の兄(海の幸をとる達人)と弟(山の幸をとる達人)が道具交換をしたら、結果は散々だった。
しかも弟は借りた釣針を失くすという失態。新品を沢山作って弁償しようとしたが・・・。
兄「別の釣針じゃいくら沢山あっても駄目。さっさと元の釣針を返せ。」
②弟は海辺に行くと、塩土老翁(シホツツノヲヂ)に会い、老翁のすすめで無目籠(マナシカタマ)に乗って海の中へ潜った。
すると海神の宮へ着いて海神に事情を話したところ、海神は魚たちを集めて失った釣針を見つけてくれた。
しかも海神の娘の豊玉姫と結婚できた。
③三年経過したら故郷が懐かしくなり、帰った。
帰郷前に海神から兄を従わせるための悪知恵と武器を貰った。
釣針に「貧鉤(マヂチ・貧しくなれという呪い)」をかけることと、潮満瓊(シホミチノタマ・潮が満ちて人を溺れさせられる玉)と潮涸瓊(シホヒノタマ・潮が引く玉)を授かった。
↓
弟実行。兄は降参した。
④豊玉姫(弟の子を妊娠中)が後を追って海岸に上陸。
豊玉姫「出産のとき、お願いだから中を見ないでね」→見ちゃった。龍に変化していた。
豊玉姫「ありえない。もうあんたと一緒には暮らせない」→子の彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊(ヒコナギサタケウガヤフキアヘズの尊)を置いて海に帰ってしまった。
(第11段)
彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊は、姨の玉依姫を妃とした。
彦五瀬命(ヒコイツセの命)、稲飯命(イナヒの命)、三毛入野命(ミケイリノの命)、神日本磐余彦尊(カムヤマトイハレビコの尊)の四人の子を産んだ。彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊は、姨の玉依姫を妃とした。
・彦五瀬命(ヒコイツセの命)
・稲飯命(イナヒの命)
・三毛入野命(ミケイリノの命)
・神日本磐余彦尊(カムヤマトイハレビコの尊)
この四人の男を生んだ。
やがて彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊は、西洲の宮で亡くなり、日向の吾平山の上の陵に葬られた。④やがて彦火火出見尊は海神の娘である豊玉姫を娶った。
海宮に留まって住むこと、すでに三年が経った。
そこは安らかで楽しい所とはいえど、なお故郷を懐かしむ心情があった。
そのため、時々大いに嘆いていた。
豊玉姫はこのことを聞いて、父にこう言った。
「天孫はしばしば歎いている。きっと故郷を懐かしがって憂いているんだろう。」
海神は彦火火出見尊を招いて、静かにこう言った。
「天孫がもし帰郷したいと思うのなら、私がそこまで送り届けましょう。」
そして釣鉤を渡して、こう教えた。
「この鉤を兄に返すとき、秘かにこの鉤を貧鉤(マヂチ。)と呼んで、その後に渡しなさい。」(貧しくなれと呪うため)
また、潮満瓊(シホミチノタマ)と潮涸瓊(シホヒノタマ)を授けた。
「潮満瓊を使えば、潮があっという間に満ちる。それで兄を溺れさせなさい。
もし兄が悔いて許しを請うたら、潮涸瓊を使えば、潮はあっという間に引く。そうやって救いなさい。
かくのごとく攻め悩ませば、あなたの兄も自ら従うでしょう。」
そして故郷へ出発するときに、豊玉姫は天孫にこう言った。
「私は妊娠しました。もうすぐ子が産まれます。
私は必ず風濤急峻ではない日に、海浜に行きます。
だから私の為に産室を作って待っててね。」
⑤彦火火出見尊は宮から帰還して、ひたすら海神の教えのとおりにした。
すると兄の火闌降命は大いに悩まされて、自ら服従してきてこう言った。
「今後、私はあなたの俳優(ワザヲキ。種々の芸能をする奉公人)の民となります。許してください。」
そういうことなので、その願いどおりに赦してあげた。
火闌降命は、吾田君小橋等の本祖である。
⑥後に豊玉姫は約束どおり、妹の玉依姫を伴って、海辺に到着した。
出産に臨む前に「私が子を産む時、お願いだから中を見ないでね。」と頼んだ。
でも天孫は我慢できなくて、こっそりと中の様子を覘った。
すると豊玉姫は出産のとき、竜に化身していた。
甚だ慙じてこう言った。
「もし私を辱めることがなければ、海陸は相通って、永く隔絶することはなかっただろうに。
今あなたは私を辱めた。そんなことされたらもう互いに睦ましくは暮らせない。」
カヤで児を包んで海辺に捨てて、海の道を閉じてまっしぐらに去った。
故にこの子を、彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊(ヒコナギサタケウガヤフキアヘズの尊)と名づけた。
①兄の火闌降命は、元々海の幸を獲る道具を愛用していた。
弟の彦火火出見尊は、元々山の幸を獲る道具を愛用していた。
ある時に兄弟二人が互いに「試しに幸がえをしてみようぜ」と言い、互いに道具を交換してみた。
そうしてみたら、どちらも獲物をとることができなかった。
兄は幸がえしたことを悔いて、弟の弓箭を返して、自分の釣鉤を返すよう弟に言った。
しかしこの時、弟は既に兄の鉤を失っており、そこらへんを探してみても見つからなかった。
故にかわりに新しく鉤を作って兄に渡そうとしたが、兄はこれを受けとらず、ちゃんと元の鉤を返せと責めた。
弟は患いて、その横刀をもとに新しい鉤を鍛造して、一杯に盛って弁済しようとした。
しかし兄は怒って「我が元の鉤でないならば、どんなに多くとも受け取らない。」と言い、ますます責めた。
②よって彦火火出見尊の憂い苦しみは甚だ深かった。
海のほとりに嘆きつつ行くと、そこで塩土老翁(シホツツノヲヂ)に会った。
老翁は「何でここにいるのか?どうしてそんなに愁いているのか?」ときいた。
それに対して、あるがままに答えた。
老翁は「そんなに憂い嘆くな。私にはあなたのための考えがある。」と言った。
そして無目籠(マナシカタマ)を作って、彦火火出見尊を籠の中に入れて、海中に沈めた。
③するとやがて美しい浜辺に着いた。
籠を乗り捨ててしばらく歩いてみると、海神の宮に到った。
その宮は垣が整然と聳え立っていて、台宇が光輝いていた。
門前に井があって、その上に一本の湯津杜樹(桂の神木)があり、その枝葉は四方に茂っていた。
彦火火出見尊はその樹の下へ、よろよろと歩いて行った。
しばらく経ってから一人の美人が、闥をおし放って出てきた。
玉鋺を持って来て、水を汲もうとした。
そのときちらっと視て、驚いて帰宅し、父母にこう言った。
「一人の珍しい客人が、門前の樹の下にいます。」
そこで、海神は八重席薦(ヤヘタタミ)を敷いて、招き入れた。
坐ってくつろいでもらったところで、その来意を問うた。
それに対して彦火火出見尊はあるがままを答えた。
すると海神は大小の魚を集めて、皆に鉤のありかを問うた。
皆はこう言った。
「知らない。ただ赤女(アカメ。ある鯛の名である。)が最近口が痛むと言って姿を見せない。」
赤女を探し出して口の中を見てみると、失った鉤が見つかった。