日本神話関係。 主に日本書紀・古事記・風土記をもとに、日本神話について「事実関係(書いてあること)の整理整頓」する、備忘録的なブログ。 他には「素朴な問いを立てる」ことを重視していきたい。 「謎の解明」はきっと専門家がどっかでやるので、そんなに興味なし。 あとは、たまには「雑感・想像・妄想」織り交ぜて色々とイメージを膨らませたいとも思っている。 ちなみに、最近はアイヌ神話・琉球の神話にも興味がある。 著作権については興味なし。 ここで書いたりアップしたものは、勝手に使用・転載していいです。(使う機会あればの話ですが・・・)
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①この時、素戔鳴尊は天から出雲国の簸の川上に降った。
その時に川上から啼哭く声が聞こえた。
そこでその声の主の元へ向かった。
そこにはある一組の老夫婦がいて、中間に少女を置き、撫でながら哭いていた。
素戔鳴尊が問いてみた。「汝等は誰だ?何でこんなに泣いているのだ?」
答えて言う。
「我らは国つ神だ。
私の名は脚摩乳(アシナヅチ)。
私の妻の名は手摩乳(テナヅチ)。
この童女は私たちの娘だ。名は奇稲田姫(クシイナダヒメ)。
昔に私たちには八人の娘がいたが、年ごとに八岐大蛇によって呑みこまれてしまった。
今この娘も呑まれようとしている。
その運命を免れられる方法はない。それ故に悲しんでいる。」
素戔鳴尊が勅してこう言った。
「そのような事情なら、あなたの娘を私にくれないか。」
それに答えてこう言った。「勅のままに行いましょう。」
②そこで素戔鳴尊はちょっとの間に奇稲田姫を湯津爪櫛(ユツツマグシ)に変化させて、御髻に挿しておいた。
そして脚摩乳と手摩乳に大量の釀した酒を用意させた。
並行して仮に作った棚を八面を作り、それぞれ一口ずつ槽(サカブネ)を置いた。
そして酒を満杯にして待った。
しばらく時がたってから、大蛇が現れた。
頭・尾はそれぞれ八つあった。
眼は赤酸醤(赤カガチ。赤ほおずき)のようだ。
その背の上には松や柏が生えていて、八つの丘・八つの谷の間に蔓延していた。
酒を見つけて、それぞれ頭を各一つの槽に突っ込んで飲み出した。
そうしたら酔って熟睡してしまった。
それを見計らって素戔鳴尊は帯びていた十握剣を抜いて、その蛇をズタズタに斬った。
剣が尾に到ると、剣の刃が少し欠けた。
その尾を裂いて中を視てみると、中に一振の剣があった。
これがいわゆる草薙剣である。〈ある書に曰く。元の名は天叢雲剣という。大蛇の居る所の上には、常に雲がある。故にこう名づけられたか。後代にヤマトタケルが草薙剣と改名したと言われている。〉
素戔鳴尊はこう言った。「何て神々しい剣だ。これは私の手元に置くべきものではない。」
そして天つ神に献上した。
③こうした後に、結婚生活をする所を探した。
そして遂に出雲の清地(スガ)に到った。
そのときにこう言った。「今の私の心境は清々しい。」(そのため、今この地をスガと呼んでいる)
そこに宮を建てた。
(或るところでは、素戔鳴尊はこのように歌ったとも伝えられている。
や雲たつ 出雲八重垣 妻ごめに 八重垣作る その八重垣ゑ)
そこで共に遘合して、その子の大己貴神(オオアナムチの神)が生まれた。
そして勅してこう言った。
「我が子の宮の首(ツカサ)は、脚摩乳と手摩乳とする。」
二神に、稲田宮主神(イナダノミヤヌシの神)という名を賜った。
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