日本神話関係。 主に日本書紀・古事記・風土記をもとに、日本神話について「事実関係(書いてあること)の整理整頓」する、備忘録的なブログ。 他には「素朴な問いを立てる」ことを重視していきたい。 「謎の解明」はきっと専門家がどっかでやるので、そんなに興味なし。 あとは、たまには「雑感・想像・妄想」織り交ぜて色々とイメージを膨らませたいとも思っている。 ちなみに、最近はアイヌ神話・琉球の神話にも興味がある。 著作権については興味なし。 ここで書いたりアップしたものは、勝手に使用・転載していいです。(使う機会あればの話ですが・・・)
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③その後、高皇産霊尊は更に諸神を召集して、今度は葦原中国に誰を派遣するか選んだ。
皆はこう言った。
「経津主神(フツヌシの神。磐裂根裂神→その子が磐筒男・磐筒女→その子が経津主神)が良いでしょう」
その時に天石窟に住む武甕槌神(タケミカヅチの神。稜威雄走神(イツノヲハシリの神)→その子が甕速日神(ミカノハヤヒの神)→その子が熯速日神(ヒノハヤヒの神)→その子が武甕槌神)が進み出てこう言った。
「なんで経津主神は立派な丈夫だが、私は彼ほどではないと言うのか。」
その語気はめっちゃ激しかった。
故にこの神を経津主神にそえて、葦原中国に向かわせた。
二神は出雲国の五十田狭の小汀(イタサのヲハマ)に降りたった。
十握剣を抜いて、地に突き立てて、その鋒端に跨って、大己貴神にこう問うた。
「高皇産霊尊は皇孫を降臨させて、この国を支配させたいと考えている。
そのためまずは我ら二神を遣して、この地の平定に取り掛かっている。
さて、あなたの意思としては、この国を去るか否かのどちらか?」
大己貴神は「まずは我が子に問うてみて、その後に返答しましょう。」と言った。
この時にその子である事代主神は、出雲国の三穂之碕にいた。
そこで魚釣をしていた。或いは鳥を射っていたとも言われている。
そこに熊野の諸手船に使者の稲背脛を載せて派遣した。
こうして高皇産霊尊の勅を事代主神に伝え、かつそれにどのように返答するかを問うた。
事代主神は使者にこう言った。
「天神からの勅に従い、我が父は去るべきだ。私もまた同様である。」
そして海中に八重蒼柴籬(ヤヘのアヲフシカキ)を造り、船のへさきを踏んで、去った。
使者はすぐに戻ってこのことを報告した。
大己貴神はその子の言葉をもって、二神にこう言った。
「私が怙みにしていた子は、既に去った。故に私もまた去ろう。
もし私が抗戦したら、国内の諸神たちも必ず抗戦しただろう。
でも今私が去れば、もう天神に従わない神はいないだろう。」
そして国を平らげた時に愛用していた広矛を、二神に授けてこう言った。
「私はこの矛をもって今まで仕事を成し遂げてきた。
天孫もこの矛をもって国を治めるならば、必ず平安となるだろう。
今まさに私は八十隅(ヤソクマデ)に隠れよう。」
言い終わって遂に隠れた。
この後、二神は諸々のまつろわぬ鬼神等を誅した。
そして戻って成果を報告した。
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